手芸古書と雑貨の店 folkloraの日誌

東京、西調布にある手芸古書と雑貨のお店、folkloraのブログ。ときどき展示やワークショップも行います。

ムフ刺繍のワークショップ体験記

先日5/15(火)、ムフ刺繍の第2回ワークショップが行われました。
ムフ刺繍とはエストニアのムフ島に伝わる伝統的な刺繍で、立体的で華やかな花柄がその代表的なものです。
今回はエストニアの国花であるrukkilill(矢車草)の柄を薄手のトートバッグに刺繍します。
folkloraスタッフ黒川がワークショップを体験しましたので、その模様をお伝えします。
講師はエストニア手芸に造詣の深い荒田起久子先生。待ち時間の間にもエストニアの写真を見ながら手芸の話を聞かせてくださり、ムフ刺繍への興味が高まります。

全員揃ったところで今回の材料セットが配られました。小さな糸巻きにかわいらしく巻かれた糸と素材のセットを見るだけでテンションが上がってきました。新しいことを始めるのはわくわくします。
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トートバッグには予め先生が矢車草の柄を下書きしてくださっているので、すぐに刺し始められます。
まずはムフ刺繍の基本的な針運びを教えていただき、いざチャレンジ!長めに刺した縦糸を斜めに刺す横糸で押さえるというテクニック。これがなかなか難しい。先生のように少ない手間できれいに柄を埋められず、試行錯誤しつつ左から花びらを埋めていきます。
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2枚目の花びらで少し慣れてきた頃に先生に誉められ、急に自信がつく黒川。いくつになっても誉められるのは嬉しいものですね、
少しずつスピードアップしていき、花のベースが出来上がり、がく、茎、と刺し進めます。
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ここからはムフ刺繍の特徴的な表現、陰影をつける作業です。
これまでは下書き通りに色を替えて刺していたのでわかりやすかったのですが、ここからは感覚の出番です。先生のお手本を参考にしつつ、絵を描くように濃い色、明るい色で立体感を出していきます。
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どうでしょう?少し立体感出てきたでしょうか。

最後に白いおしべと仕上げのリボンをつけて、ついに完成!
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この日の参加者は皆さん、すてきに完成させていました。先生も驚く集中力で刺繍を楽しむ幸せなひとときでした。

出来上がった後に先生がムフ刺繍の作品サンプルを見せてくださり、その美しさにうっとり。
まさに絵画のような豊かな表現と色彩、すべてステッチから生まれているとは思えない自在な曲線や繊細な細部に芸術品としての素晴らしさを実感しました。
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自分だったらこの域に達するには何十年(いや、何百年?)かかるのか。
それでも、ムフ刺繍の奥深さに触れて、さらに先を目指してみたくなりました。
荒田先生、ありがとうございました!

次回の荒田起久子先生のムフ刺繍ワークショップはマーガレットと忘れな草のコインケースづくりを予定しております。

お申し込みはこちらから。
https://coubic.com/folklora/221097

今回参加された方も、初めての方も楽しめる内容です。
ご参加お待ちしております。